原料米を精米します。
酒造用の大きな精米機で精米します。
精米歩合、精米するお米の質、めざすお酒の酒質、その日の気温や湿度によって精米にかかる時間は大きく異なります。
一般的には、普通酒(70%精米)で半日ぐらい、大吟醸クラス(40%精米)であれば3日程度かかります。
精米前の玄米はラグビーボールのような楕円球体をしていますが、高精米すると野球ボールのような、ほぼほぼ球体になります。
ちなみに、ラグビーボールの形のまま精米する扁平精米(原型精米)という技術もありますが、非常に時間がかかることもあって限られた蔵元しか行っていません。代表格は、大七酒造さんです。
さて、酒造好適米の場合、「原料米」で説明したように、最後に残った球体の部分は「心白」といって真っ白です。
ここは、密度の低いデンプン質ですので、高精白になればなるほど割れやすくなります。なので、ゆっくりゆっくり時間をかけて精米しないといけません。
このようにして出来上がった精米は、一定の期間、無風状態の倉庫等で保管されます。
枯らし
精米すると、お米の温度が上がり乾燥します。
そんな乾燥した状態のっまでお米を水に浸すと、急激に水分を吸収してしまい、米が崩れてしまいます。
これを防ぐために、精米を寝かせて水分量を調整するのです。これを「枯らし」といいます。
胴われを防ぐことだけを考えると水分率14%が目標となりますが、そうすると、次の浸漬工程で米の吸水速度が遅くなります。
結果として十分に吸水させることが出来なくなり、酒造りに影響を与えます。よって、胴われをしないぐらいに適度な水分量まで戻す。そのタイミングが難しいといわれています。
余談ですが。。。
酒蔵に精米機を据えて自家精米を行う酒造家さんもあれば、精米工場に精米を委託している酒造家さんもあります。でも、委託精米が決して悪いということではないですよ。
精米機は非常に大きいですし、設置コストも大きいです。そして酒造りは寒造りと言われるように、冬の期間しか稼働しません。無駄も多いわけですよ。委託精米工場は精米のプロですから、酒造家さんの求める精米を行ってくれます。
このように、精米や貯蔵、ビン詰めや物流など、共同化できる部分はどんどん共同化して、
酒蔵経営のコストダウンを図っていくことが、日本酒文化の多様性を守るという意味においても必要なことではないかと思ったりしてます。
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