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澱引き・ろ過・火入れ

澱引き

上槽で搾りあがったお酒は、まだまだ不純物がたくさん混入していますので、タンクで数日間寝かせて不純物を澱として沈殿させて、上澄みを抜きます。これを「澱引き」といいます。

ろ過

澱引きで抜いた上澄み(原酒)は、若干の色がついています。また、雑味成分も多く残っています。よって、ろ過機をとおして色や雑味成分を取り除きます。

活性炭素の粒を清酒に混入して異物を付着させる方法、珪藻土を通す方法、ろ過フィルターを通す方法などがあります。かつては炭を入れる方法がよく用いられていたようで、これを投入しすぎたお酒は炭臭がするといわれました。現在では、フィルター型のろ過機を通す方法が一般的です。

火入れ

ここまできたのに、まだまだ危険です。最も恐れるべきは、「火落ち」です。火落ちは、火落ち菌によって引き起こされるのですが、貯蔵中に白濁・酸化してしまい商品価値が0になってしまう、酒造りの天敵です。しかも、なんと、この火落ち菌は、麹が生成するメバロン酸とやらを主食とし、アルコール耐性があり、弱酸性が好きらしく、日本酒が大好物なヤツなんです。そういう菌ですからモロミに入り込んでいてあたり前なんです。

火落ち菌対策だけでなく、原酒には酵素が生きています。そのため原酒の中で少しすつ糖化が進みます。これが甘ダレの原因になります。なので、酵素の失活も必要です。

そこで、加熱殺菌を行います。「火入れ」です。

■伝統的な火入れ

一昔前の方法は、70℃~75℃に熱した原酒をタンクに流し込みます。そして満タンになると冷却水をかけて冷やします。この方法は、パスツールの低温滅菌法(パスチャライゼーション)そのものです。

しかし、この方法は火落ち菌の殺菌効果は絶大ですが、お酒の香味にとっては最悪です。カンカンの燗酒を一晩さまして翌朝に飲んでいるようなものですよ。

しかし、パスツールがワイン醸造のために研究開発した低温滅菌法が、それよりも何百年も前の日本で伝統的に行われていたことの事実がすごいですね。

■現代の火入れ

そこで、近年では、プレートヒーター急冷却火入れ方式の導入がすすんできました。これは、5℃の冷たい原酒をプレートに流し込み、それを横のプレートに移して一瞬で65℃まで熱する。熱された原酒は元のプレートに移るんですが、そこに新たに送り込まれた5℃の冷たい原酒と熱交換を行い急速に35℃まで冷却され、反対隣のプレートに移されてさらに10℃まで冷却する。この一連の工程が約1秒。

これですと、お酒の劣化は大幅に改善されます。

しかし、その火入れ後の原酒を貯蔵するためのタンクに存在する火落ち菌を、殺菌することは出来ません。100%安心というわけではないのです。よって、貯蔵は5℃以下の低温で行うこと、また瓶詰め時にも火入れを行う必要があるということになります。

■高級酒向きの火入れ

大吟醸、純米吟醸以上のお酒になりますと、いかにダメージが少ないとは言え、2回の火入れによる劣化は避けたいところです。

このようにデリケートなお酒の場合は、「瓶燗火入れ」を行います。

これは、原酒を瓶につめて、湯煎で65℃まで温度を上げて(約20分程度かかる)、その後、冷却水にジャブンとつけて急速に冷却する方法です。冷却後は0℃の低温で貯蔵し、出荷のときを待ちます。

 

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