日本酒の裏ラベルには、甘口とか辛口とかの表示とともに、日本酒度とか酸度とかが表示されています。
酸度と言われれば、酸の多い少ないのことかな?って想像できますが、日本酒度って日常使う単語じゃないから、わかりにくいですよね。
日本酒度とは、一言でいうと、そのお酒の重さ。比重です。
日本酒度計による計測
比重=日本酒度を調べるには、日本酒度計という計測器を使います。
- うき秤というガラス管の底に鉛粒が入っていて、測りたい液体に浮かべて計測します。
- この計測器は4℃の水に浮かべたとき、目盛りが±0を示すように調整してあります。
- 言い換えると、うき秤が4℃の水の重さになっているということです。
- シリンダーに15℃のお酒を注ぎます。
- うき秤を浮かべた時の液面部分の目盛りが、そのお酒の日本酒度です。
- うき秤が高く浮かんだ場合、このお酒は水よりも重いことがわかります。
この時の目盛りは、マイナス値を示します。 - うき秤が低く浮かんだ(沈んだ?)場合、このお酒は水よりも軽いことがわかります。目盛りはプラス値を示します。
日本酒度が決まる要因は?
日本酒度=お酒の重さは、いくつかの要因で決まります。
- 15℃の水は、4℃の水より少し軽いですから、15℃のお酒は水より少し軽めが基準となります。
- アルコールは水より軽いですから、アルコール度数が高いとそのお酒は軽くなります。
- 糖分は水より重いですから、糖分が多く残っているお酒は、重くなります。
- おり酒やにごり酒などに含まれる「澱」は水より重いですから、そのお酒は重くなります。
日本酒度から、何がわかるのか?
このように、日本酒度=お酒の重さは、アルコール、水、糖分などの要因が合わさって決まりますが、実は、最も大きな要素は糖分の量なんです。
ですから、日本酒度がマイナス=重たいお酒は、糖分が多く残っているお酒であろう=甘口と、とりあえず判断できるわけです。
逆に、日本酒度がプラス=軽いお酒は、糖分があまり残ってないお酒なんだろう=辛口と、とりあえず判断できるわけです。
あくまでも、「とりあえず」です。一つの目安です。
甘口と感じるか、辛口と感じるかは、糖分だけではなくて、酸の量やアルコール度も影響するからです。
ですから、日本酒の裏ラベルには、アルコール度、日本酒度、酸度、アミノ酸度などが表示されているのです。
日本酒の甘辛・濃淡の目安
以上のように、日本酒度がプラスだと辛く感じ、マイナスだと甘く感じます。
また、酸が多いと辛く感じ、少ないと甘く感じます。
さらに、酸が多いと濃厚な味わいになり、少ないと淡麗な味わいになります。
これらの傾向をミックスした時、日本酒度と酸度から、「淡麗・辛口」「淡麗・甘口」「濃厚・辛口」「濃厚・甘口」の4タイプに分けた図が下の図です。
甘辛度と濃淡度
日本酒の甘辛や濃淡を数値化したものが、「甘辛度」と「濃淡度」です。
あまり見かけることはありませんが、こういう指標もあるということだけ知っておいていただければと思います。
国税庁HPより
甘辛度=193593/(1443+日本酒度)-1.16×総酸-132.57
- -3=非常に辛い
- -2=かなり辛い
- -1=すこし辛い
- 0=どちらでもない
- +1=少し甘い
- +2=かなり甘い
- +3=非常に甘い
濃淡度= 94545/(1443+日本酒度)+1.88×総酸- 68.54
- -3=非常にうすい
- -2=かなりうすい
- -1=すこしうすい
- 0=どちらでもない
- +1=少しこい
- +2=かなりこい
- +3=非常にこい
酸度についての詳細は、コチラをどうぞ → 酸度・アミノ酸度とは?