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仕込水

日本酒のほとんどが水

日本酒の裏ラベルに表示されている原材料、「米、米麹、水」。

水は、日本酒の80%~85%を占めます。ということは、ほとんどが水ということですから、よろしくない水を仕込み水にしたら、出来上がりの酒もおいしくないということになります。言い換えると、おいしい酒を造るには、良い仕込み水の確保が必須ということになります。

では、良い仕込み水とはどのような水なのでしょうか。

酒造りに適した水とは

仕込水に必要な条件とは、水道法で規定されている水道水の水質基準を遵守することに加えて、以下の条件が必要となっています。

鉄、マンガンなど、重金属類が含まれていないこと

  • は、日本酒の色を茶褐色にします。基準0.02PPM以下。検出されないことが望ましい。
  • マンガンは、日光など熟成による着色を著しく促進します。基準0.02PPM以下。検出されないことが望ましい。
  • は、混濁の原因となります。

リン、マグネシウム、カリウム、カルシウム、クロールが含まれていること

  • リン、マグネシウムは、麹菌と酵母の増殖を活発にします。
  • カリウムは、酒母やモロミの発酵を促し、麹菌の成長を助けます。
  • カルシウム、クロールは、麹菌の酵素の生成と溶出および酵素による分解を活性化します。

特別な例としては、キモト造りに限り「硝酸」が含まれていることが必須となります。

硬水と軟水

硬水とは

マグネシウムやカルシウムの含有量が多い水です。地下を流れる期間が長い伏流水は、地下の岩石や貝殻などからこれらの物質が水に溶け出すからです。

硬水で仕込んだお酒は、上述の通り発酵が旺盛なモロミを作りますから、アルコール度数の高い辛口の原酒が出来上がります。

硬水の代表選手は、なんと言っても灘の宮水です。灘の辛口、灘の男酒といわれる所以です。

また、発酵力が高いということは、モロミ期間が短くて済みますので、醸造技術や衛生管理が未熟であった中世において、硬水で仕込むことの有利性は非常に高かったと思います。言い換えると、失敗しにくい仕込み水ともいえますね。

軟水とは

ミネラルの含有量が少ない水です。地下を流れる期間が短い伏流水や、清流の水は、軟水となります。

軟水で仕込んだお酒は、発酵がゆっくりと進みますので軟らかい上品なお酒に仕上がることが多かったようです。

代表選手は、伏見の名水や広島西條の水でしょう。灘の男酒に対して、伏見の女酒、広島の女酒ですね。

発酵力を促進する物質が少ない軟水で仕込むということは、硬水と比較した場合、やはり不利な状況だったことは否めません。しかし、そうのような状況の中でもいい酒を安定的に造る努力を惜しまなかった蔵元に、高い醸造技術が育まれていったんだろうと思います。

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